自宅、自宅以外の土地を相続する

 相続財産のなかでも不動産は財産価値の高いものであり、特に自宅のような住宅が建っている宅地など市街地にある土地は相続税に大きく影響します。

 主な土地の種類(地目)として、宅地・田・畑・山林・原野・雑種地に分類されており、不動産における相続税の計算上の価値(評価額)は、
 評価額が高い順に 宅地 > 雑種地 > 畑 > 田 > 原野 > 山林 となる場合が多いです。

 自宅などの不動産は相続財産の中でも大きい割合を占める財産であることが多く、適切に評価することで大きな節税効果をもたらしますが、その評価方法は複雑であり十人十色の評価価格になるため、最も税理士の実力差が出る項目です。

 不動産の財産評価額が変わるということは相続税の総額(節税できる金額)が変わることですので、特に価値の高い不動産がある場合は土地評価に強い専門家に依頼することをお勧めします。

 

 相続財産に自宅がある

 自宅の土地・建物を共に所有している場合は、土地・建物を評価して申告する必要があります。

 自宅建物の評価は、固定資産税評価額を参考にします。

 自宅土地の評価は、地目が宅地となりますが、その土地の立地や形などによって専門的で複雑な計算を要します。

 

 ① 相続した人が自宅に居住するケース

 自宅に相続人となる配偶者や子などが引き続き居住するケースでは、小規模宅地等の特例という制度が使える可能性があります。

 小規模宅地等の特例は、対象土地の相続税評価額が最大8割引きの金額になってしまうという、相続の特例の中でも非常に大きな節税効果がある制度になります。

 ただし、実際に相続した人が居住することや申告要件があることなど適用するための要件が細かく定められているため、必ずご確認ください。

 

 ② 相続した人が自宅に居住しないケース

 自宅に相続人となる配偶者や子などが居住しないケースでは、小規模宅地等の特例は基本的に使うことができません。

 自宅の相続税評価額が大きくなることが予想されますので、適切に評価することでより節税効果が大きくなります。

 ただし、子や孫が「家なき子特例」に該当するときのみ特例を使うことができる場合もあります。

 

 相続した人が居住しないケースでは相続後に自宅を売ってしまう場合が多いですが、その際に譲渡所得が発生し課税対象になることをご留意ください。

 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例で最大3,000万円の所得控除が受けられる場合などもあり、税金面で大きく変わることもありますので、ご確認ください。

 

 相続財産に自宅以外の土地・建物がある

 自宅以外の土地・建物を共に所有している場合は、土地・建物を評価して申告する必要があります。

 建物の評価は、固定資産税評価額を参考にします。

 貸し付けている建物の場合は借家権割合(3割程度)を評価額から減額することができます。

 土地の評価は、その土地の現況などによって地目を分類して、その土地の立地や形などによって専門的で複雑な計算を要します。

 

 事業に使っている建物や賃貸用アパート、貸し駐車場などを相続人が引き続ぐケースでは、小規模宅地等の特例という制度が使える可能性があります。

 小規模宅地等の特例は、対象土地の相続税評価額が最大8割引きの金額になってしまうという、相続の特例の中でも非常に大きな節税効果がある制度になります。

 ただし、実際に相続した人が事業の引継ぎ・保有をすることや申告要件があることなど適用するための要件が細かく定められているため、必ずご確認ください。

 

自宅、土地を相続する